技術力を証明する証!3M4-Star施工技術者認定システムとは?
カーラッピングの施工には技術力を認定するシステムがあるのをご存知でしょうか。中でも「3M4-Star施工技術者」は、高い技術力を有するラッピングのスペシャリストとして知られています。本記事では、3M4-Star施工技術者認定システムの概要、トレーニングプログラム・認定試験の内容、カーラッピングに認定資格が必要な理由について解説します。
3M4-Star施工技術者認定システムとは
カーラッピングの施工を行う際には高い技術力が求められるため、誰でも簡単に行えるというわけではありません。施工を行う技術者の技量によって、完成後の仕上がり具合が大きく異なっていきます。このような技術力にバラつきのあるカーラッピング業界の背景を踏まえ、ラッピングフィルムの大手メーカである「3M」で採用されたのが、「3M4-Star施工技術者認定システム」と呼ばれる認定制度です。認定試験に合格することで、「3M™ラップフィルムシリーズ1080」で車をラッピングできる高い技量を有する技術者であることが認められます。
トレーニングプログラムと認定試験の概要
カーラッピングでは、フィルムの材質はもちろん、施工技術の高さによっても仕上がり後の品質が大きく左右される非常にシビアなものです。車のオーナーに満足してもらえるようにラッピングを仕上げるためには、高い施工技術力が必要不可欠となります。
そのため、「3M4-Star施工技術者」になるためには、品質の向上を目的とした専門のプログラムを受講する必要があります。その後、認定試験を受けて見事合格した者のみに資格が与えられます。ここでは、「3M4-Star施工技術者」を目指す方のために実施されるトレーニングプログラムと、その後に受ける認定試験の概要についてご紹介します。
■基礎トレーニング(1&2-StarTraining)
まずは、カーラッピングにおける製品・施工の基礎知識の取得を目的とした基礎トレーニングを受講します。主に座学を中心とした3時間程度の講習会であり、カーラッピング業界における基礎的な知識、情報について習得していくこととなるでしょう。他にも「3M™ラップフィルムシリーズ1080」のラップフィルムの特徴や、ラッピング後の仕上がり品質などについても学んでいきます。講習の受講後には、1&2-Star受講修了証が発行され、次のステップに進むことが可能です。
■施工実施トレーニング(3-StarTraining)
続いて、「3M™ラップフィルムシリーズ1080」で乗用車をフルラッピングするために必要な施工テクニックを実習形式で身につけていく施工実施トレーニングを受講します。車両の各部位にラッピングを施し、技術力を身につけていくことがトレーニングの主な目的です。「構造が複雑な部位にラッピングする方法」「車のボディーにカッターでキズをつけないようにフィルムをカットする方法」「貼り付け時にフィルムの表面にキズを付けにくくするためのテクニック」など、実技中心のプログラムを受講します。
こちらの講習会についても半日程度で行われ、大抵の場合、基礎トレーニングに引き続いて実施されるのが一般的です。受講することで、3-Star受講終了証が発行され「4-Star施工技術者」の助手としてラッピング施工の補助を行うことが可能となります。3-Star受講終了証を獲得した後は、施工経験を積みながら「4-Star施工技術者」を目指していくこととなります。
■特別カリキュラム
「3M4-Star施工技術者」を目指すプログラムを実施している会社によっては、認定試験を受ける前に試験合格に向けた特別なカリキュラムを組んでいるケースもあります。特別カリキュラムの内容については、講習会を実施している会社によって異なりますが、1~3Starで学んだ内容の復習や、日常の業務や経験だけでは補いきれないより深い内容のトレーニングを実施していることが多いです。中には、個別の専門トレーニングに対応しているところもあり、ラッピング施工のスキルをさらに向上させることを目的としたカリキュラムを受講できます。
■4Star施工技術者認定試験(4-StarTest)
4-StarTestでは「3M™ラップフィルムシリーズ1080」で車をフルラッピングする際のテクニック、車のオーナーに満足してもらえるラッピング技術を有しているかを測る実技試験を行います。「4-Star施工技術者」の認定方法については以下の通りとなります。
・認定を希望する施工者が指定された車に対し、フルラッピングを施す
・ラッピングした車を4-Star施工技術者認定会社に持ち込む
・認定担当者は、認定試験マニュアルに基づき、ラッピングのでき具合を見極め、規定の仕上がり品質を満たしているか否かの判断を行う
・認定担当者から仕上がり品質に満たしていると伝えられた場合、認定担当者は認定証を事業部に交付してもらうよう依頼する
・4-Star施工技術者認定会社から認定証を受け取る
3Starを修了し、実地で多くの経験を積んでいった後に、実技試験の受験者がフルラッピングした車を、4-Star施工技術者認定会社に持ち込みます。この時に、場合によっては会社側が出張することもあります。また、認定試験はプログラムを受講した会社で受講できることが多いです。仕上がり品質の確認項目は多岐にわたるため、規定された採点基準を基にラッピングの仕上がり具合を評価された後、最終的な合否の判断が下されることとなります。
認定試験を合格することで「3Mジャパン」より、4-Star施工技術者認定証が贈られ、高い施工技術を有する者として、3Mジャパン及び試験を受けた4-Star施工技術者認定会社に認定登録されます。
■4-Star施工技術者になるとどうなる?
4-Star施工技術者として認定されることで、3Mのホームページに名前が登録され、事業部から4-Star施工技術者認定会社を通して、当該製品や技術面に関する最新情報が継続的に提供されるようになります。また、必要な資材の供給やビジネス面における協業、ネットワーク構築などの支援を受けることも可能です。さらに、4-Star施工技術者認定会社が主催する各種講演会などを優先的に受講できるようになるなど、4-Star施工技術者になることでさまざまなメリットを受けられるようになります。
カーラッピング施工に認定資格が必要な理由
ラッピングフィルムを販売している会社は数多く存在しますが、その中でも「3M4-Star施工技術者認定システム」を採用している3Mはトップシェアを誇る会社となります。しかし、3Mのラッピングフィルムが、カーラッピングで広く使われているからといって初心者向けの製品であるということではありません。
ラッピングフィルムの性能、材質はもちろんですが、車のオーナーにラッピングの仕上がり具合を満足してもらうためには、高い施工技術が必要不可欠となります。そのため、「3M4-Star施工技術者認定システム」によって、カーラッピング業界における標準規格である「3M™ラップフィルムシリーズ1080」のフルラッピングを通してスキルを磨くことで、より専門的な知識と技術を身につけ、フィルム施工者の技術力の底上げに貢献しているのです。
この記事では、カーラッピング業界独自の制度である3M4-Star施工技術者認定システムの概要、トレーニングプログラム・認定試験の内容、ラッピング施工に認定資格が必要な理由について解説しました。認定資格があることによって、カーラッピング業界における施工者、技術者の施工技術の底上げに貢献し、品質の高いラッピングサービスを車のオーナーに提供できているということがご理解いただけたかと思います。