カーラッピングの価格はどのくらい?
自動車好きの方のなかにはデフォルトの塗装色では満足できず、好みのデザインを施すために車体色をカスタマイズする方もいます。
しかしながら自動車の塗装は非常に価格が高いのが特徴です。
自動車のレストアが定着している欧米でも、車体の塗装にかかるコストが総費用に占める割合は非常に高くなっています。
そんな方にぴったりなのがカーラッピングになります。
もくじ
業者に依頼したときの費用相場はどれくらい?
さて、費用がどの程度かかるのかということは知っておきたいですよね。
全体的に高額なので、お金を貯めてからでなければ厳しいという方もいらっしゃるでしょう。
カーラッピングをプロに依頼するときには、専門に取扱っている業者を自分で見つける必要があります。
屋外広告や看板設置などを手がけながら、そのかたわらでカーラッピングを取扱っていることもあるようです。
価格はもちろん業者によって異なってきますが、パネル一枚の相場額は3-5万円程度、小型乗用車をフルラップするようなオーダーでは単色の場合で10-25万円ほどになります。
さらに、いわゆる「痛車」仕様のアニメーションのキャラクターをプリントしたシートでラッピングするときには、30-60万円が相場になっているようです。
これは、ボディをフルペイントで塗装した場合のおよそ半分程度の出費で済ませることができます。
当然のことですが、費用はフィルムの面積に比例して高くなるので中型や大型乗用車になると80-120万円くらいが相場になっています。 また施行部位によっても費用は異なってきます。
ボンネットやルーフなどは面積で費用も高くなりますが、ミラーやピラー・スポイラーなどはサイズに関係なく価格は一定しています。
ワンポイントをリーズナブルにラッピングしたいときにはラッピングの場所にこだわってみるのも一案です。
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車体の塗装をイメチェン、カーラッピングの意義
そもそもカーラッピングとは、自動車のボディにフィルムを圧着したり、カッティングシートで模様などを入れることを指します。
ラッピングが登場する以前の1980年代は、ボディカラーを変更したり車体に何らかのグラフィックをいれる場合は塗料を使ってペインティングするのが一般的でした。
反面、車体全体をムラなく安定した塗膜を形成するには非常に高い技術が必要で、当然のことながら非常に高額の出費を覚悟しなければなりませんでした。
加えて仕上りが気に入らなかった場合には再塗装する以外に修正する選択肢はなく、自動車の査定額も大幅に減額されることも余儀なくされていました。
1990年代に入ると、各社から専用のプリンターで印刷したプラスチック素材のフィルムを車のボディに張ることが普及するようになります。
おかげで車体のカラーリングの変更や模様を入れるなどの加工がかなり身近になりました。
広く普及することに成功したのはボディを塗装することにくらべてコストを押さえることができたことが関係しているのは事実です。
それだけでなく、簡単に剥がすことができて元の状態に戻すことが可能な点も影響しています。
DIYでできるって本当か?仕上りに違いが出る可能性も…
カーラッピングに使用されるフィルムはプラスチック素材で、各社から販売されており、DIYで貼ることも可能です。
一般の方が挑戦してよくあるのが「途中でフィルムが足りなくなった」逆に「多すぎて余ってしまった」という失敗です。
DIYで始めるにしても正確な計測をおざなりにしての成功は有り得ません。
仕上りをイメージし、余白はどの程度の面積を見込むのかまでシミュレーションすることが必要になります。
特に注意すべき点は、ボンネット部分に不具合が残らないように仕上げることです。
ボンネットにフィルムをはるときには末端部分を内側に織り込まなければならず、不十分な張り方では走行時にボンネットからめくれ上がり剥落する可能性があるからです。
そのため測定サイズよりも大きめにカッティングすることが必要になります。
また、ボディにラッピングをはる時には、シートとボディの間に微細なごみなどが入り込まないように細心の注意が求められます。
一つ間違えば車体に傷をつけることにもなり兼ねないからです。
これらを考えると、美しい仕上りを求めるならば無理してDIYするよりは、業者にお任せするのが賢明でしょう。
カーラッピングにはメリットがいっぱい
カーラッピングは、車体を塗装することに比べると、半額程度の価格でイメージチェンジを図れるのが大きなメリットですが、それ以外にも人気を集める理由があります。
車体ボディをフィルムで保護してくれるので、紫外線や風雨や微細な飛来物などから塗装を守り長持ちすることを可能にします。
また車体の外見を一新するというデザイン面でのニーズに対応するイメージが強いですが、このようなカスタムだけでなく修理の面でも活用することができます。
具体的には事故などで破壊されて交換するしかない箇所の修理に役立ちます。
ボディの外装部品は無塗装でも価格が高くなり、さらに塗装代もかさむことになります。
例えば事故でボンネットやライト・バンパーなどが破損した場合に、バンパーなどは交換部品が見つかってもボンネットは入手が困難で、違う色のボンネットを調達できるのがせいぜいという場合も少なくないのです。
そこでボディ全体の色に見合うようなラッピングカラーをチョイスして中古のボンネットにラッピングするわけです。
塗装代を削減できるので修理費用も抑えることが可能になります。
公共バスで利用されたのが普及のきっかけ
今でこそ街並みの中をラッピング車が移動している様子を目にすることができる様になっていますが、普及の契機になったのはどこなのか御存知でしょうか。
実は、日本国内の公の場でカーラッピングが披露されたのは、東京都交通局の路線バス、いわゆる都バスにおいてのことです。
2000年4月当時、深刻な経常赤字に悩まされていた都バスの収支を改善するためのテコ入れ策の一環として、当時の石原新太郎東京都知事の肝入りで登場したのが始まりとされています。
バスや路面電車の広告収入を増加させるために、広告の車体サイズへの拡大を条例改正で実現したことで、車体に広告主の宣伝を入れたラッピングバスが登場します。
ライイングカーは欧米では古くから定着していますが、日本ではまだまだ目新しいサービスだったこともあり、導入当初は大きな注目を浴び、高い訴求力を発揮することになります。
その結果は数字にも反映されていて当初は5億円の広告収入を見込んでいましたが、実際に東京都交通局に入った広告収入は6億3500万円を超えるものでした。
街を行くお馴染みのバスが、ラッピングで強烈な印象を残したことが普及の契機になったわけです。
カーラッピングしたときの注意点
カーラッピングした時には注意点もあります。
そもそもフィルムの耐久性はそれぞれのメーカーで違いがあります。
フィルムの寿命の目安としては3-5年程度とされています。
これは種類やメーカーの違いで基本仕様は異なってくるのですが、フィルムの寿命を左右するのは基本スペックだけでなく、カーラッピングを施した自動車の管理環境によっても影響を受けることになります。
保管場所には青空駐車場ではなく屋根のついたガレージでの管理が理想的です。
ラッピングも外気や天候・紫外線の影響などによって経年劣化が避けられないため、これらのリスク要因はできる限り管理されていることが望ましいからです。
また、さきほどご紹介したように、自動車のフルラッピングを施す時は車体の大きさによって価格もそれなりにかさむことになります。
価格面で出費をいとわない、デザイン最優先の方ならドアの内側やパーツのすき間などにもカーラッピングすることになると、さらに費用が加算されることになります。
したがって、カーラッピングを業者に依頼するときには、希望のデザインと、経済的にどこまで負担できるのかの両者を勘案することが必須になると言えるでしょう。
まとめ
ラッピングの価格は車種により違いがあり一概には言えないのですがフルラッピングの場合、軽自動車なら50~60万円程度、スーパーカーなど複雑な形状の車になると100万円以上かかることが多いようです。
またプロテクションフィルムの場合、フロント周り一式で35万円前後、全面に貼ると100万円前後という調査結果でした。
このように、全てまるごとラッピングとなるとやはりハードルが高いですよね。
そんな方は、まずパーツラッピングをお願いしてみるのは如何でしょうか?
部分的な施工は数万円と比較的、安価な料金設定になっています。
施工業者との相性もありますから、まずはお試ししてみてこれから先も一緒に素敵な痛車、愛車をつくり上げていけるのか判断しましょう。
施工業者とは長い付き合いになるため慎重に検討してくださいね。