カーラッピングで痛車を作りたい!自動車保険には入れる?
道行く人たちが振り返ってしまうラッピングカーの痛車(いたしゃ)。オーナーのほとんどが推しメンを、みんなに見てほしいと願ってカーラッピングしているのです。「自分もカーラッピングしたいけど、自動車保険って加入できるの?」と悩んでいる方に、「車検はどうなるの?」「保険に入れるの?」そんな疑問にズバリ答えていきましょう。
痛車でも自動車保険に入れる
まずは「痛車でも自動車保険に入れるか?」ということについては、基本的には痛車でも自動車保険に加入することはできます。ただし、ノーマル車にカーラッピングを施した場合は問題ないのですが、派手なエアロパーツや異様に車高を落としたシャコタン車など、大きな改造を加えた場合は加入できないと思った方がよいでしょう。
「じゃあ派手なエアロを取り付けたり、改造したりしなければいいんだね」と、早合点しないでください。ノーマル車にカーラッピングしただけでも自動車保険に入れない場合もあるのです。
■フロント、運転席、助手席のガラスへのラッピングはNG
それがどんなケースかというと、フロントガラスや運転席および助手席の窓ガラスにステッカーを貼ってしまう場合です。車にはフロントガラス、運転席側面ガラス、助手席側面ガラスの前席3面については、可視光線透過率(光を通す割合)が70%以上でないとならない条件があります。そのため、この3面にステッカーを貼ってしまうと改造ではなく可視光線透過率が確保できない理由で、保険に入ることが難しくなってしまうのです。
また、安全運転できる視界を妨げる要因にもなるので、自動車保険への加入は難しくなります。フロントガラス、運転席側面ガラス、助手席側面ガラスにはラッピングを施さず、ノーマルのままであれば自動車保険への加入は問題ないといえますね。
事前に保険会社に相談した方が安心
たとえばこんなシーンを想像してみてください。ノーマルボディに推しメンをカーラッピングして気分よくドライブしていた時、近道しようと少し狭い路地を通っていたら「ビシュー」と変な音がして、路地を通り抜けて車を確認すると、なんと助手席の推しメンの顔にひっかき傷ができてしまっていた。恐らく、はり金か何かに引っ掛けたのでしょう。そんなときは、早く直したいですよね。ところで、この修理費は自動車保険で賄えるのでしょうか?
■車体に固定されていれば付属品として修理可能
合法的なエアロパーツなどをボルトやナットで固定していれば、自動車保険では付属品とみなされて補償対象になることが多いようです。これは「容易に取り外すことができない」ので、車体の一部としてみなされるからです。そのため、エアロパーツが壊れたのであれば自動車保険を使って修理することは可能となります。
■カーラッピングやステッカーは保険会社に要相談
では、カーラッピングやステッカーなど車の車体に貼り付けているシールはどうなるのでしょう。オーナーとしては「簡単にはがれないし、ラッピングシールも車の一部だ」と、主張したいところですよね。しかし、カーラッピングの修理については加入する保険の種類によって適用・不適用がわかれるようです。
一番の解決策は、事前に保険会社に相談することでしょう。「多分、恐らく大丈夫」と、素人判断で保険商品を判断するのは危険です。もしもカーラッピングに対して保険適用されないのであれば、痛車オーナーとしては本当の意味で痛い思いをしてしまいます。保険会社は保険のプロのため、さまざまな保険商品を取り扱っています。事前に相談しておけば、カーラッピングやステッカーも修理可能な保険を紹介してくれるので、安心できますよ。
痛車でも車検に通る?
さて次は、痛車の車検についてです。先の自動車保険に加入できた痛車なら基本的に車検にも問題なく通ります。このことを知っていない方は、意外にビクビクしながらドライブすることとなるので、しっかり把握しておきましょう。そうすれば、楽しい痛車ライフを満喫できます。ついでに、これをしたら車検に通らないNGなラッピングも確認しましょう。
■そもそも痛車って運転していて逮捕されないのか
痛車を改造車だと勘違いしている方も多いようですが、ボディ全体にカーラッピングしているだけで改造車ではありません。もちろん、法適用していないエアロパーツを取り付けて一緒にラッピングしていれば改造車となりますが、この場合でもラッピングが悪いのではなくて法適用していないエアロパーツに問題があるのです。そのため、改造車でない限りノーマル車にカーラッピングしただけの痛車を運転していても捕まることはありません。
■運転席や助手席のガラスにステッカーを貼る
痛車オーナーの思いとしては、できるだけ車全体にラッピングを施したいですよね。「デザイン的に助手席の窓ガラスに腕をつけたい」と、考えてしまうこともあるでしょう。しかし、そこはグッと堪えましょう。運転席や助手席の窓ガラスには一切ラッピングを施してはいけません。
車検に通らなくなるだけでなく、万一の事故の時に保険が支払われない事態にもなってしまいます。このことは前述した自動車保険への加入条件と同じなのです。なにより後で剥がすとなると、せっかくデザインした推しメンのポーズが無残なことになってしまいます。
■フロントガラスへのラッピングもNG
これは誰もが思いつくことのため、フロントガラスにラッピングを施す方はまずいないでしょう。もしも考えていたとしたら、それは絶対にNGです。車検や保険よりも安全運転第一のため、「推しメンと一緒に大けが」なんてことにならないようにしましょう。
■リアガラスへのラッピングはどこまで許されるか
先の運転席・助手席・フロントガラスの3面へのラッピングは、NGであることはわかりました。では、リアガラスへのラッピングはどこまで許されるのでしょう。意外に思われるかもしれませんが、リアガラスへは全面ラッピングしても大丈夫です。リアガラスは結構面積が広いため、後方車へのアピール度がMAXになるので嬉しい限りです。
ただし、注意点もあります。全面ラッピングすると後方の視認が悪くなります。アラウンドビューモニターを搭載していたり、バックアシストカメラを搭載していたりするようであればバック時も安心できますが、そうでない車の時は、ショップと相談してデザインを決めた方がよいでしょう。
■リアガラスへのシースルーシートは車検対応品
「リアガラスへ全面ラッピングしたいけど、確かに後ろが見づらい。でも全面デザインを施したい!」そうお悩みの方は「シースルーシート」を、使ってみるとよいかもしれません。シースルーシートとは、リアガラス全面にデザインできて後ろもちゃんと見える、便利なカーラッピングアイテムです。
小さな穴が無数に空いているので、外からは全面ラッピングしているようにしか見えませんが、車内からは外が見えるというカラクリ。ただし、雨の日は雨水が穴に溜って見づらくなるデメリットもあるので、ショップと相談してよい方法をみつけるのがベストでしょう。
痛車はオーナーにとって、恋人同然の大切なパートナーです。その大切なパートナーといつまでもドライブできるよう、違法な改造やカーラッピングは止めましょう。目立たせたい気持ちはよくわかりますが、改造で目立つよりラッピングデザインで目立った方がよいでしょう。どんなデザインが目立つのかは、痛車専門のショップ店員に相談することをおススメします。プロのアドバイスは的確のため、必ず痛車ライフをバックアップしてくれますよ。