プロテクションフィルムにはどんな効果がある?フィルムごとの効果とは
新しく車を購入したら、できるだけきれいな状態を維持したいと考えるものでしょう。車体の劣化を防止する方法にはコーティングやプロテクションフィルムを貼る方法があります。ただ、どのような施工をすべきか悩む方も少なくありません。そこで今回は、プロテクションフィルムを施工することで期待できる効果について解説していきます。
プロテクションフィルムの期待できる効果
プロテクションフィルムは、車の塗装面に張り付けるものと、ガラス部分に張り付けるものがあります。貼り付ける素材が異なるため、フィルムも施工部分に合った製品を選びましょう。なお、プロテクションフィルムを施工するのは高額な費用がかかりますが、その分効果も複数あります。
■塗装が剥がれるのを防止する
プロテクションフィルムを貼ることで、塗装の剥がれを防止できます。どんなに丁寧に車を扱っていたとしても、一般道や高速道路を走っていると飛び石が車体にぶつかっています。スピードを出しているときに石がぶつかれば、塗料が剥がれてしまうでしょう。プロテクションフィルムを貼っていれば、車のボディに直接石がぶつかるのを防止できるため、結果的に塗料の剥がれを防げます。
■小傷がつきにくくなる
洗車や車の乗り降り、荷物の出し入れなどをする際、気を付けていても小傷がつくでしょう。ドアノブに手をかけるときに、爪が軽く車体にあたるだけでも傷がつきます。このような小傷は、塗料面が傷つくことで発生するものです。プロテクションフィルムを貼っておけば、小傷も防止するため車の状態を維持できます。
■塗料の劣化を防止する
意外かもしれませんが、プロテクションフィルムは車の傷だけでなく、劣化を防止するのにも効果があります。車は屋外で使用しているうちに、太陽光の紫外線によって塗料がダメージを受けています。紫外線は塗料を劣化させてしまうため、劣化が進むと塗料の変色や剥離に繋がってしまうのです。しかし、プロテクションフィルムは紫外線を吸収する効果があり、紫外線によるダメージも軽減できます。
■お手入れが楽になる
愛車はできるだけきれいに保ちたいと考えるものでしょう。汚れが気になってきたら洗車をする方が多いかもしれませんが、プロテクションフィルムはそもそも汚れが付着しにくくなります。また、汚れが付着したとしても、簡単に落とせます。つまり、洗車回数の軽減、洗車時間の短縮に繋がり、お手入れが楽になるのです。
■売却時の査定金額が相場より高くなる
車を最終的に売却する際、年式や走行距離はもちろん、車の状態によっても査定金額が変わります。塗料の剥がれがなかったり、傷がほとんどなかったりすると、状態がよいと判断されるでしょう。プロテクションフィルムを施工するには高額な費用がかかりますが、最終的に査定金額を加味して考えるのもおすすめです。
プロテクションフィルムにはデメリットもある
施工することでさまざまなメリットのあるプロテクションフィルムですが、デメリットも存在します。メリット・デメリットの双方を知ったうえで、施工するかどうかを判断しましょう。
まず、プロテクションフィルムの最大のデメリットは、施工金額が高額なことです。フィルムの金額が高いことに加え、施工技術も必要になるため、材料費と工賃で高額になるのです。プロテクションフィルムはどこのメーカー、種類のフィルムを採用するかによって施工費用が変わりますが、ボンネットだけの施工で5~10万円はかかります。ボンネット・フロントバンパー・フロントフェンダーをセットで施工する場合、25~35万円ほどかかるでしょう。
さらに、フルプロテクションという、車体を覆うようにフィルムを貼り付けるには110~135万円ほどの施工費用がかかるのです。簡単に施工しようと踏み切れない金額のため、メリットが多くても施工を断念してしまう方もいるでしょう。ただし、人気車種や限定販売された車両など、資産価値の高い車は施工しておくのがおすすめです。人気の車は買い手がつきやすく、さらに状態がよいとなれば、欲しい人が多くなります。最終的な売却金額が相場より高額になることも多いため、資産価値を維持できるかどうかという視点も加味するのがおすすめです。
また、屋外で屋根のない場所に保管する際、フィルムにシミが付いてしまうのもデメリットでしょう。車体そのものはきちんと保護できますが、屋外保管だと太陽の熱が原因となってフィルムにシミが付いてしまうのです。一度フィルムにシミが付いてしまった場合、貼り直さなければ取り除けません。シミを防止するには、こまめな洗車が必要ですが、手間に感じてしまう方もいるでしょう。ただ、施工店によっては、シミが発生した際に、フィルムを磨いて取り除くサービスに対応しているところもあります。フィルムの見た目をきれいに維持したいという場合は、こまめに洗車する、または施工店の対応を確認しておきましょう。なお、インナーガレージやカーポートを設置し、太陽の熱に長時間あたらないようにするのも対策の一つです。
最後のデメリットは、プロテクションフィルムに寿命があることです。製品にもよりますが、プロテクションフィルムの寿命は高性能なもので5年ほどです。安価で耐用年数が短いものであれば、半年ほどで劣化してしまいます。特に屋外で車を保管する場合、高性能フィルムでも5年以下の寿命になるケースがあるでしょう。高性能なフィルムは部分施工でも数十万円ほどかかるため、10年ほど同じ車に乗る場合は2~3回は張り替えが必要になります。
ただし、施工費用が安いからといって、安易に安い製品を選ぶのはおすすめしません。すぐに劣化し短いスパンで張り替えが必要になるでしょう。トータルコストを考えると、初期費用は高いですが高性能な製品を選んでおく方がお得になることもあります。ただし、プロテクションフィルムを施工するにはある程度ランニングコストがかかるのは考慮しておかなければなりません。
プロテクションフィルムは種類によって効果が違う
一口にプロテクションフィルムといっても、製品によって効果が異なります。安価で性能の高くない製品も多いため、どのような効果を優先したいかによって慎重に採用するプロテクションフィルムを検討しましょう。ここでは、高性能なプロテクションフィルムをピックアップし、効果について解説します。
まず、日本で最も有名なプロテクションフィルムメーカーのXPELが販売している製品は、耐久性が高いのが特徴です。紫外線による変色や劣化、飛び石や小傷からしっかりと車体を守りながら、長期間張り替えが不要なのです。屋根のない屋外で保管していても、3年はフィルムが劣化しないとされており、数ある製品の中でも耐用年数が長くなっています。
次に、ZELのプロテクションフィルムは特殊なコーティングによって水シミや汚れに強い特性があります。一度水シミが発生してしまうと、基本的に専門業者でしか除去できません。そもそも水シミになりにくいのは、魅力的な効果でしょう。
プロテクションフィルムを貼ることで、塗装の変色を防止したり、飛び石による傷やスクラッチ傷を発生しにくくしたりする効果があります。ただし、施工費用が高額なことや、保管状態によってはプロテクションフィルム自体にシミが発生してしまう可能性があります。プロテクションフィルムの施工は決して安いものではないため、メリットとデメリットを比較して検討しましょう。また、フィルムを種類や施工業者を慎重に選ぶのもポイントです。