プロテクションフィルムの寿命は?施工にかかる費用についても解説!
新しく車を購入したら、きれいな状態を維持したいと考えるものでしょう。車の状態を維持したり、劣化を防止したりするにはコーティングやプロテクションフィルムを施工するなどの選択肢があります。ただ、施工費用が高額なため、迷っている方も多いでしょう。そこで本記事では、プロテクションフィルムの寿命や費用の相場について解説します。
プロテクションフィルムの寿命
プロテクションフィルムを施工することで、さまざまなメリットがあります。たとえば、飛び石による傷や、荷物の出し入れ、乗り降りなどで発生してしまいがちなスクラッチ傷を防止できます。また、塗装を剝がれにくくなったり、変色を防止したりできるのも魅力でしょう。メリットを多く感じられるプロテクションフィルムですが、フィルムには寿命があるという点に気を付けなければなりません。一度施工すれば永久的にメンテナンスが不要というわけではなく、フィルム自体が劣化してしまうのです。
フィルムが劣化してしまうと、肝心の車体も保護できなくなってしまうため、寿命がきたら張り替えが必要です。一般的なプロテクションフィルムの寿命は半年~3年、高性能フィルムでは3~5年が寿命となっています。
ただし、車の保管状況によっては、寿命が短くなるケースもあるので注意しましょう。プロテクションフィルムの劣化を早めてしまう原因の一つが、太陽光に長時間さらされることです。太陽に長時間さらされてしまうと、熱や紫外線によってフィルムが劣化してしまいます。インナーガレージや屋根付きのカーポートに保管すれば、比較的長くフィルムの状態を維持できるでしょう。
また、プロテクションフィルムが劣化すると、フィルムにシミが発生してしまうケースがあります。シミがつくと個人で取り除くことはむずかしく、専門業者でフィルムを貼り替える、または、シミの部分だけ削ってもらわなければなりません。余計な手間をかけないためにも、できるだけ長時間太陽光にさらされる環境下で保管をするのはやめましょう。さらに、こまめに洗車することも、シミの発生防止に繋がります。
プロテクションフィルムの施工にかかる費用の相場
プロテクションフィルムを施工するには高額な費用がかかるというのを聞いたことがある方も多いでしょう。ここでは、施工範囲ごとの相場を紹介します。ポルシェケイマンに施工するのを想定した費用では、ボンネットで6~12万円、フロントバンパーで9~12万円が相場となっています。さらに、ボンネット・フロントバンパー・フロントフェンダーのフロント部分全体に施工するとなると、20~40万円はかかるでしょう。
また、フルプロテクションと呼ばれる、車体全体を覆うように施工する場合は、100~150万円が相場となっています。価格に幅があるのは、どのような種類のフォルムを選ぶかによって材料費が変わってくるからです。一般的にフィルムが高額になるほど、比例してフォルムの性能も向上します。高性能なフィルムは劣化しにくく、耐用年数も長くなります。そのため、初期費用は高額になりますが、高性能なフィルムを選んでおけば交換周期が長くなるのです。安易に安いフィルムを選んでしまうと、半年~1年ほどの短いスパンでメンテナンスが必要になります。初期費用とランニングコストを考え、手入れの手間やトータルコストを考慮しながらフィルムを選ぶようにしましょう。
さらに、フロント部分全面、車体全体といった広範囲の施工を依頼する場合、価格が高額になることに加え、施工期間も長くなります。たとえば、フロント部分全面を施工する場合は2泊3日、車全体を施工する場合は7泊8日ほどかかります。家庭に車が1台しかなく、ほぼ毎日乗っているという場合は、車のない状態を不便に感じるでしょう。数日間は車のない生活を送る、車が絶対に必要な場合は代車を手配するといった対策が必要になります。代車を手配するとなると、施工費用にプラスして費用がかかります。トータルの費用、車のない期間をどのように過ごすかを念頭に置いて、施工範囲とフィルムの種類を検討するのがおすすめです。
プロテクションフィルムのメリット・デメリット
高額な施工費用がハードルに感じられることの多いプロテクションフィルムですが、複数のメリットがあります。
まずプロテクションフィルムの最大のメリットは、車体の状態をきれいに維持できることでしょう。状態を維持できるというのは、飛び石による傷を防いだり、気を付けていても発生してしまうスクラッチ傷を防止したりできるというものです。
さらに、プロテクションフィルムは紫外線をカットする効果もあります。塗装は紫外線に弱いため、ダメージが蓄積すると塗装の変色や剥がれに繋がります。プロテクションフィルムを施工しておけば、紫外線のダメージからも守ってくれるため、美しい塗装の状態を維持できます。
なお、フィルムは張り替えも可能です。車専用のフィルムとして生産されているため、車体にフィルムの糊を残すことなくきれいに剥がし、新たなフィルムを施工できるのです。定期的なフィルムのメンテナンスをしていれば、売却時の査定価格が相場よりも高くなる可能性もあります。車の査定は車種や年式、走行距離をチェックされるのはもちろん、傷や汚れ、塗料の劣化がないかどうかも確認されます。通常の車は普通に使用しているだけでさまざまな傷、汚れがついているものです。プロテクションフィルムをしていれば、一般的な車と比較して状態がよいため、高額査定に繋がりやすいでしょう。
複数のメリットがあるプロテクションフィルムですが、デメリットもあります。
まず、施工費用が高額なことがデメリットでしょう。ボンネットだけでも6~10万円、フロント部分全体を施工するなら20~40万円ほどかかります。最終的な売却価格が高額になる可能性があるとはいえ、いったん高額な施工費用がかかるのはデメリットといえます。また、高額な施工費用をかけても、車の保管状況によってはすぐに劣化してしまうのも注意点です。とくに屋根のない屋外で保管する場合は、紫外線によるダメージを受けやすいため、予想よりも短いスパンで交換しなければならないケースがあります。
なお、プロテクションフィルムは一部分に施工するケースが多いですが、フィルムを貼っている部分と、貼っていない部分でツヤや塗料の色の見た目に差が出ることもあります。車本来の塗料の色を優先したい、フィルムのありなしで見た目に差が出るのには抵抗があるという方は、業者に相談するようにしましょう。
プロテクションフィルムは魅力的なポイントが多いですが、デメリットもあります。メリットだけを見て施工してしまうと、後悔する可能性があるので注意しましょう。なお、業者にすべてお任せするのではなく、依頼者自身が情報収集するのもポイントです。
プロテクションフィルムは、塗装の剥がれや変色を防止したり、傷を防いだりできるのがメリットでしょう。車の美しさが維持できれば、最終的に売却する際も高値買取が期待できます。ただし、プロテクションフィルムは小範囲の施工だけでも数十万円はかかります。フィルムにも寿命があるため、施工費用やランニングコストを考慮し、施工すべきか慎重に検討するのがおすすめです。なお、車の保管状況によってフィルムの耐用年数に差が生じます。せっかく施工したのにすぐに劣化してしまったというトラブルにならないよう、保管状況や手入れの方法についても確認しておく必要があります。