カーラッピングに適した色を選ぶコツについて詳しく解説!
車のカスタムで近年、注目を集めるのがカーラッピングです。これは車の「色」を変えるドレスアップ法で、オリジナルカラーに飽きた人、目立ちたい人に好まれるカスタムです。また広告宣伝のマーケティング手法として取り入れる企業も増えています。ラッピングで一番大切なポイントは「色決め」です。ここでは「色決め」のコツを紹介します。
それぞれの色が持つ効果
カーラッピングではグレーや黒といったオーソドックスな色が好まれる傾向があります。しかし色にはそれぞれ特徴があり、目的や用途によっては必ずしもオーソドックスな色が相応しいとは言えません。そこでそれぞれの色の持つ特徴や効果を紹介します。
■黒
黒には周囲の色を引き締めて目立たせる効果があります。強さや神秘的な雰囲気を持つカラーですが、同時に他の色と比べて負のイメージも併せ持つ色です。
■紫
赤と青が混ざり合う紫は上品なイメージが強く、高貴な雰囲気が漂う色として知られます。しかし赤と青と相反する色が共存するため、「下品」「不安」といった一面も併せ持つ複雑な色です。
■青
青からは空や海といった、広大な自然がイメージされます。好感度が高く、安心感や信頼感につながる性格を持ち、一番人気の高い色の系統です。
■緑
緑は安心感や調和を表す色で、リラックス効果があります。控えめな色なので、他の色とのバランスも取りやすいのが特徴です。
■黄色
黄色は有彩色の中で最も明るい色です。太陽や光のイメージカラーで、人の興味を引きつけやすく、行動を活性化する色として人気です。
■オレンジ
オレンジには明るく優しいイメージがあります。黄色同様、人の興味を惹きつけ、喜びや親しみ、元気といったポジティブな印象を与える色です。
■赤
情熱や力強さ、活発、刺激といった「動」のイメージを持つ色です。アクティブなイメージ故、闘争心を駆り立てる一面も指摘されます。
カーラッピングに適した色を選ぶコツ
「イメージチェンジ」「趣味のためのグラフィック」「マーケティング戦略」。このようにラッピングの目的によって、色の選び方は変わります。ユーザーは数多くある配色の中から好みの色を選ぶことができますが、施工前のイメージと完成形が大きく違うと大変です。
修正するにも決して安くない費用が掛かるので、色選びは何度もシミュレーションして慎重に行いましょう。ラッピングを取り扱う業者ならカラーサンプルを用意しています。また事前にイメージ画像を作ってくれる業者もあるので、ラッピング専門店に相談するのも良いでしょう。
■ドレスアップ効果を狙う色選び
カーラッピングでドレスアップ効果を狙うなら、周りの景色に溶け込むことなく、存在感をアピールする「黄色」「赤」「オレンジ」といった暖色系がお勧めです。
またルーフ部分だけ違う色にする等、複数の色を組み合わせる事も可能です。但し、必要以上に色を使うと統一感が損なわれるため、2色、ないしは3色程度に抑えると良いでしょう。スポーツカー系ではストライプを入れるラッピングもお勧めです。ラインを1本入れるだけでスポーティーさがグッと増します。
■グラフィック仕様の色選び
アニメやゲームキャラクターのイラストが描かれたラッピングカーです。個人の趣味として楽しむケースが多く、その大半は「痛車」と呼ばれています。
このような車のラッピングは、主役のキャラクターをより際立たせることが大切です。そこでベースカラーはどんなデザインにも合わせやすい「白」が好まれる傾向にあります。
■マーケティング戦略の色選び
自社のロゴや商品のPRを施したラッピングカー。これは宣伝効果を狙ったマーケティング手法の1つで、営業車や運送車などによく見られます。このような車のラッピングで好まれる配色は、好感度が高く信頼感をアピールできる青系や、安心感や健やかさを与える緑系です。但しPRしたい商品の訴求力を高めたい場合、商品イメージを助長するカラーリングを選ぶケースもあります。
例えば「情熱」「パッション」「躍動感」などのテーマを有する商品なら、「赤」をベースにしたデザインで、より強いメッセージを消費者に訴えます。マーケティング戦略におけるラッピングはデザインと色のレイアウトがキモです。ここでは配色のレイアウトについて、もう少し詳しく説明します。
■コーポレートカラー
コーポレートカラーとは、企業ロゴや商品ロゴで使用される色を指します。ブランドイメージに大きく関わる最も大切な色です。
■ベースカラー
ベースカラーとはコーポレートカラーの背景に使われる色です。背景色が濃い色の場合、最も大切なロゴや文字が目立たなくなります。強調しすぎない色を選びましょう。
■アクセントカラー
これは広告内で特に訴求したい箇所に使われる色です。コーポレートカラーとアクセントカラーのマッチングは、相対的な配色が理想的です。
カーラッピングを行う際に注意するべきポイント
カーラッピングには非常に高い技術が求められます。特に車全体の色を変える「フルラッピング」を検討するなら、専門業者に依頼するのが良いでしょう。しかしルーフやボンネット、ミラーカバー、エンブレムなど「ワンポイントだけ変えたい」等の場合、DIYにチャレンジしても良いかもしれません。ここでは自身でラッピング施工を行う際の注意点を紹介します。
■フィルムは余剰分も含めて購入
ラッピング施工は、ヒートガンなどで温めたフィルムを手で引っ張りながらボディに圧着させる作業です。そして最後にフィルムの端をボディの内側に折り込んで完成です。
そこで用意するフィルムの大きさは折り込む余白分まで必要です。フィルムは熱で伸びるからと、ギリギリのサイズで注文するのは失敗の元です。
■施工前はしっかり洗車&脱脂
ラッピング施工で一番大切な工程が「下地処理」。いわゆる「洗車」と「脱脂」です。ラッピングの最大の敵はワックスや油分です。ボディ表面が油分で覆われていると、フィルムの粘着力は極端に低下します。ラッピング施工前は隅々まで洗車して、シリコンオフなどの脱脂スプレーでボディの油分をしっかり除去しましょう。
特に入念な脱脂処理が必要な部分は、タイヤ周り、バンパー、ボンネット、ロッカーパネル、そしてパネルの縁部分です。縁部分の不十分な脱脂が、シート剥がれの一番の原因と言われています。
■ラッピングのフィルムは無闇に伸ばさない
下地処理が終われば、いよいよラッピング本番。これはフィルムをドライヤーやヒートガンで加熱して伸ばし、ボディに圧着させて貼り付ける作業の繰り返しです。この作業で最も難しいのが「曲面」貼りです。フィルムをしっかり伸ばす必要があります。
しかし「伸ばしすぎ」は要注意です。熱を加えて伸ばしたフィルムには、元に戻ろうとする力が働きます。必要以上に伸ばすと、その分反発力も強くなり、剥がれの原因となります。また「伸ばしすぎ」はフィルムの粘着性も低下します。
■ポストヒーティングも忘れずに
ポストヒーティングとは、ボディに貼り付けたフィルムに一定時間、熱を与える作業です。伸ばして貼り付けたフィルムは、時間の経過とともに元の形に収縮して、それが剥がれの原因になります。ポストヒーティングには、その性質を強制的に除去する効果があります。
目的や用途によって、デザインや配色の選び方などノウハウが大きく変わるカーラッピング。ドレスアップ効果や宣伝効果が大きいカスタムですが、目的に応じた配色の選定を誤ると効果は半減、または逆効果にもなります。ラッピングの専門業者に相談したり、カラーサンプルをチェックするなど、事前にしっかり時間をかけて、間違いのない「色選び」をしてください。